サンスポ:レアル高笑い? オリンピアがJ2最下位に完敗
トヨタカップ(12月3日、横浜国際)に出場する南米代表オリンピア(パラグアイ)が28日、J2横浜FCとの練習試合で1−3の完敗を喫した。しかも90分間ノーゴールのオリンピアが延長戦を嘆願し、通算107分目にようやく1点を返すというていたらく。29日に来日する欧州代表レアル・マドリード(スペイン)も、相手がこれなら安心だ。 弾みをつけるつもりが、逆に自信を喪失させてしまった。J2最下位の横浜FC相手に、ほぼベストメンバーで臨んでまさかの1−3負け。しかも、やっと取った1点は“泣き”をいれてお付き合いしてもらった延長戦での産物だった。「え? 守備のチームなんですか? いや、そんな感じはしなかったですけど。ウチが攻めることができたくらいだから、レアルだったら何点とるかわかんないですね」。南米王者から2点を奪ったFW北村知隆は苦笑いだ。前半10分に北村が先制すると、わずか3分後、オリンピアの不用意なバックパスを横浜FCが奪って再び北村へ。ゴールネットを豪快に揺らすミドル弾であっという間に2点をリードした。その後、DFセラジャがイエローカード、DFイサシが横浜FCの選手を小突くなど本気モードに突入したが、気合は空回り。後半25分には横浜FCの練習生にFKをヘディングで合わせられ、痛い3点目を失った。 そこでオリンピアは“奥の手”を使った。なんと延長戦のお願い。「最初は45分×2本だったんだけど『時間を延ばしてくれ』といわれた。点を取りたかったんだろうね」(横浜FC・信藤健仁監督)。10分間の延長で点を取れないオリンピアは、さらに10分間の延長をおねだり。通算107分、FWカバジェロが待望のゴールを割り、その3分後に終了のホイッスルとなった。 いくら練習試合といっても、南米王者がこのていたらく。見守った横浜FCの奥寺康彦GMも「とても組織的にプレーするようには見えないね。レアルはパスでくるから、もっと押しこまれるのでは」と、ただ心配するしかなかった。 「私たちにとっては、いい練習ができた。レアル戦へのメンバーはまだ決定していない。まだ来日して5日なので100%ともいえないし…」。プンピード監督はすまし顔で答えたが、報道陣に囲まれる前にバスに乗り込もうとしたのが焦っている証拠。29日に来日する欧州代表レアル・マドリードも故障者続出で苦しい状況だが、この日の様子を知れば気が楽になるに違いない。 ★追加午後練習では笑顔:練習試合の惨敗を受けて、予定されていなかった午後練習が追加された。横浜市内の練習場で約1時間。5対5のミニゲーム中心に体を動かした。この練習では笑い声も飛びかい、リラックスムード。練習試合で失った明るさを取り戻した。 ◆後半から出場した横浜FCのDFモネール 「多分、きょうのオリンピアは本当の姿ではないと思うよ」 ◆オリンピアFWカバジェロ 「いつでもゴールしたいと思っているからね。いい練習ができたと思うし、3日へ向けていい準備ができているよ」 ◆オリンピアMFのJc・カセレス 「結果はどうであれ、練習試合。いい練習ができたと思うよ」 ★オリンピア★1902年創設。今年100周年を迎えるパラグアイ最古参クラブ。サッカーをパラグアイに持ち込んだオランダ人の体育教師、ウィリアム・パアツ氏が設立。愛称は「エル・デカーノ」(長老)。リーグ戦37度優勝は同国最多。79、90、02年にリベルタドーレス杯制覇。79年にトヨタ杯の前身、インターコンチネンタル杯でマルモ(スウェーデン)を破り世界一。90年トヨタ杯ではACミラン(イタリア)に敗れた。本拠地は首都アスンシオンのマヌエル・フェレイラ競技場(2万2000人収容)。 [戻る] | |